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その②扁平足について知っておきたいこと

前回の記事はこちら

 

その①扁平足について知っておきたいこと

 

扁平足も外反母趾も足の問題ではない

前回の記事で扁平足の実態わかってきたでしょうか?

 

扁平足が辛いというより

実感としては外反母趾も伴うとほんとうに痛くてつらいものです。

パフォーマンスへの影響もわかりにくいので、

扁平足をなおそうという

発想にはなかなか繋がりませんし・・・

 

そしてこれらは実は足の問題ではなく、

その上の足関節、膝、股関節、骨盤、背骨などの動きの結果として引き起こされている症状なんです。

 

事件は現場で起きてるけど(現象は足で起きている)

原因を作っている真犯人は別にいる(体全体の動き方、使い方そのもの)

 

全体像を俯瞰することで、扁平足や外反母趾の実態が見えてきます。

 

 

前回のまとめ

扁平足は反発をもらうのが苦手

外反母趾や痛みを伴うものは要注意

さて今日はも少し広く俯瞰してみます。

上にも書きましたが、

扁平足、外反母趾は実は足の問題ではなく、

その上の足関節、膝、股関節、骨盤、背骨などの動きの結果として引き起こされている症状なんです。

順に追って説明しています。

 

回内足(かいないそく)

実は前回までの説明、アーチが潰れる、立ち上がる、を

言葉を変えてそのまま説明できます。

それが『回内、回外』です。

 

扁平足はスネの骨が内巻きに捻れ、

足首が内倒しに潰れた状態にです。

これを専門用語では回内

英語ではプロネーションと言います。

 

↓画像説明

回内足。

アキレス腱の真下にかかとがあれば、真っ直ぐな足、

画像ではかかとが外にハの字にずれているのが分かります。

 

 

 

↓画像説明

かかとが外にずれているとこのように土踏まずが落ち、扁平足に。

 

逆にスネの骨が外巻きに捻れ、

足首が外倒しになった状態を回外

英語ではサピネーションと言います。

この状態は土踏まずアーチが上がり、甲部分が立ち上がっています。

画像はありませんが、O脚の男性によく見られます。

 

では次にきれいな真っ直ぐな足の画像です↓

 

かかとの上にまっすぐアキレス腱が伸びているのがわかります。

土踏まずもしっかりあります。

 

回内、内外は歩行で言えば接地、離地の繰り返しの中で切り替わりながら流動的におこっています。

扁平足問題の本質はこの切り替わりがうまくできず、ずっと回内し続けることなのです。

 

回内回外の切替不全

回内足は、いわゆる、アーチがつぶれた、ショック吸収の状態。

回内は足の細かい骨の結合がゆるんで、「やわらかい足」です。

↓画像の5、7、8、3、6の骨がゆるんで広がります。

 

回外足は、アーチがあがり、ショックから反発している状態。

これは反発局面なので、反対に「かたい足」になっています。

回外は足の細かい骨の結合は強固になっています。

 

これを歩行で説明すると

着地した瞬間にアーチがつぶれる(回内)画像1、2番目の足

重心が真上にきた瞬間にアーチは立ち上がる(回外)。画像真ん中の足(ニュートラル)

離地後は次の接地までは無荷重のフリー

参考画像:インパクトトレーディングより転載

 

ということになります。

着地の一瞬だけ回内の必要性があり、大事なのはその直後、

速やかに回外し、かたい反発をもらう足になる必要があります。

一番体重が乗っかる局面で、

回外に作用しているかどうか

が重要なのです。

 

例えば

走っている時は体重の4倍とか5倍とか、(幅跳びや三段跳びなら20倍だそう)

の荷重が加わっていますから、

それを受け止め、跳ね返すタイミングで、

回内の柔らかい足の状態だとしたら、

足には相当な負担がかかるのがイメージできるでしょうか?

 

切り返しがうまくできないと、アーチは潰れっぱなしで運動していることになるのです。

 

回内足の原因①:内膝

この回内足は必ず、内膝があります。

ランニング障害では、

ニーイントゥアウト

と呼ばれ、つま先の向きよりも膝が内側に入っている状態のことを指します。

バレエなどではこの内膝はけっこう多く、

先生に指摘されて、当店に相談に来る子も多いです。

 

床に足が接地している状態で内膝になると

スネは内捻れになり、代償としてアーチは潰れます。

扁平足の状態ですね。

 

回内足の原因②:内股

では内膝の状態は股関節はどうなっているでしょうか。

まず、ひざ関節は蝶番(ちょうつがい)構造なので前後の曲げ伸ばししかできません。

捻れては動かないため、膝が内側に入った時は

必ず、股関節も内捻れ、つまり内股になっています。

専門的には、股関節の内旋といいます。

 

ふともも、スネは常に一体となって動いているんです。

 

回内足は内膝で内股

 

ということになります。

 

回内足の原因③:反り腰

 

下半身が連動して動いていることがわかったところですが

連動はまだ終わりません。

内股は骨盤の角度との連動があります。

それが反り腰です。

 

反り腰は骨盤前傾といいます。

子供にもとても多いですよね。

 

ぽっこりお腹で、腰を反らせて内股。

 

大人の場合もこどもの場合も女子に多いですが、

男子にも少なくありません。

むしろこどものうちは男女あまり関係なく、反り腰が多いです。

背骨や筋力が未発達のうちはこれは自然なのですが、

年齢と共に、体を支える、筋力や腹圧などが

反り腰を少しずつなおしてくれます。

現代のライフスタイルでは腹圧が低下しており、

体幹を支える筋力やバランスを作りにくくなっています。

 

ここで反り腰のテストをしてみましょう。

立ち上がって、つま先は真っ直ぐ正面、

軽く足幅を作って

おへそを出すように反り腰を作ってみてください。

膝の向きが自然と内側に回りませんか?

少なくとも回りやすくなっているはずです。

逆にいうと膝は自然と外に回るということはまず起こりません。

 

反対もやりましょう。

おなかを凹ませて、反り腰を真っ直ぐに、骨盤を立ててみてください。

外に回りやすくなると思います。

膝の向きは、自然に内側にはまず回りません。

 

いかがでしょうか。

骨盤を前傾(反り腰)させると足は内捻れ(内股)しやすく、

骨盤を後傾(立てる)させると足は外ねじれ(外股)しやすくなる

ことが、体に備わっている筋、関節、骨の特性なのです。

 

回内足の原因④:猫背

そして連動の最後は骨盤の上の背骨です。

立った状態で反り腰ポッコリお腹にすると、

巻き肩になります。

肩が胸の方に巻く、いわゆる猫背になります。

 

理想的な背骨のアーチは生理的湾曲と言って

緩やかなカーブを描いていますが、

反り腰で腰が強く前傾すると、

背中、肩はバランス調整のために前に丸くする後傾が必要になります。

 

この状態の首の骨はストレートネックになります。

 

回内足の原因⑤:腹圧の低下

猫背の状態は腹圧が低下しています。

 

背中を丸めてゲーム、スマホ

フカフカのソファー

良い姿勢をたもつことができない

 

深呼吸をすることが多くあれば、腹圧は自然に刺激されます。

深呼吸が少ないのはストレス社会のせいでしょうか?

こどもたちは習い事ばかりで息苦しくないでしょうか?

なんでも白黒つけ、アソビの少ない生きにくい現代。

そういったストレスのリバウンドは猫背です。

体はリラックスを求めるからです。

(これは根が深い問題で、一言で説明できないのでまた別の機会に)

 

まとめ:回内足は体全体のアライメントの結果として起きている

ここまでの連動をまとまると

扁平足は回内

回内は内膝

内膝は内股

内股は反り腰

反り腰は猫背

猫背はストレートネック

腹圧の低下

 

整体の仕事でも、よく、ひとつひとつの相談をされます。

内股の相談、猫背の相談、扁平足の相談、ストレートネックの相談・・・

 

切り取ってそこだけをなおすことは不毛だし、できないということがよくわかると思います。

 

それは回内足も同じなのです。

 

私たちの体は、立つ、座る、歩く、走る、全てにおいて

この運動連鎖によって紡がれており、

それはほんのちいさな指先の動きでさえもそうなのです。

 

人間のカラダってほんとうに精巧で緻密。

神経伝達、筋活動、骨格の配列(アライメント)は

ほんの数ミリの動きの違いも感知し、神経伝達を常に修正変化させています。

 

全体像はしっかり捉えて、

部分的な対処を取り入れていくことで

根本改善と対処療法ですね。

 

木も見て、森も見て

それが改善の唯一の方法なのです。

 

次回は回内足の改善の具体策について書きます。

 

その③扁平足について


https://www.koshigayabase.com/blog/11024/

 

 

 

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